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tasting of ...


~舌先と爪先と貴方と私と





一応PG12
ピィジィ=Parental Guidance

12以下は親の助言や指導が適当






 さっきまで、互いの核芯で熱を交わし確かめ合う行為に没頭していた所為で、髪はシーツに乱れている。どうしようもなく愛しい貴方に与えられた、甘く鈍い疼きにまだ身体を支配され、動きたくない。
 彼はいつも思い出したように、ちょっとだけひどくする。そして、その時だけは、普段見せないような苦しげな表情をして…


 恭弥、もし永遠があるのなら、あなたにあげるわ。もうずっと前から、あなただけのわたしよ。知ってるでしょう?


 微睡みながら、だらりと所在なげにしていた腕で彼の熱を探す。すると、視界がその隅でもぞと動くシーツを捉えたので、慌てて身体を捩り逃れようとしたのだが、遅かった…。


「もう、だめよ」
「分かりたくないけど、分かってるよ」
「じゃあ、は…ゃっ…!」
 早くそこからどいて、と言おうとしたら、下から這ってきた彼に右の膝裏を容易く掴み上げられた。
「なにす…」
 すぐさま抗議するが、唇をついばまれ、中途半端に終わる。


「爪先まで綺麗なこと、何で今まで教えてくれなかったの?」


「そんなの…きゃっ」
 知らないわ。
 何も纏わぬ姿でいたまま、再び組敷かれ、抱えられた右膝を顔の近くまで持ち上げられる。目の前には彼の顔と自分の脚。
 恥ずかしくて死にそうだと思う。
 するとそれを見透かしたように彼が、さっきまでもっと恥ずかしいことしてたよ…とニヤリと笑った。


「恭弥、下ろして。もうダメよ」
「分かってるよ。ただ君の爪先」
 今まで見過ごしてたなんて可哀想だよね。



 彼が、私の爪先に、咬みつく。




 背筋が、ざわめいた。だめ。だめ。だめ。




「やだ」
「何が」




 次は、妖しく光る舌先で、軽く、本当に少しだけ、舐められる。なのにそれは一気に全身を痺れさせ…。




 熱い。




「ダメよ。…やめて」
 息も絶え絶えになる言葉が、台詞と裏腹なのは、指摘されなくてもわかるから、自分の瞳が潤んでくるのに気付くのもすぐで…。




「ほら、言いなよ。まだ足りないって」




 いやいやと首をふる私の身体はまた熱を上げ、蕩け始めている。シーツに流れる自分の髪が視界に入り、彼の手によって乱されたことを思い出す。




「ほら、君のわがままなら叶えるしかないんだから」




 実際に足りなかったのかどうかは、考える暇がなかった。


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